タレントで漫画家の蛭子能収さんが認知症を患っていることが大きなニュースとして報道されました。
この認知症ですが認知症の進行を遅らせることのできる薬こそあれいまだに完全な治療薬はありません。
しかし最近の研究から乳製品の摂取、特にカマンベールチーズが認知症の予防に効果的であるというデーターが明らかになりました。
以下「アルツハイマー型認知症がカマンベールチーズに含まれる白カビで予防できる?」としてまとめていきます。
目次
➀認知症の原因・・・BDNF(脳由来神経栄養因子)の減少
さて上述の通り認知症の根本的な治療薬は誕生していない一方で認知症の原因についてはある程度のことが判明しています。
認知症の最大の要因・・・それはBDNF(脳由来神経栄養因子)の減少であるとされています。
このBDNFは脳内の記憶を司る機能である海馬に多く含まれているのですが、その量が多いほど認知機能が向上する一方、加齢さらには認知症によりその量が減少してしまうことが明らかになっています。
すなわちこのBDNFをいかに減らさないようにして日常生活を過ごすことができるかということが認知症対策のカギであるといえるのです。
そしてこのBDNFを増やすのに効果的な方法が乳製品の摂取であることが最近の研究で判明したのです。
➁認知症対策のカギは乳製品によるBDNF(脳由来神経栄養因子)の維持・増加
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医病理学研究室の中山裕之教授らが、学習院大学大学院自然科学研究科生命科学専攻高島研究室、キリンホールディングスと共同で行った研究結果によると牛乳などの乳製品を毎日摂ることで以下の通り認知機能の低下を抑制できることが判明しました。
・牛乳コップ1杯を毎日飲むことで、認知機能低下リスクが15%減少。
・乳清品の摂取が1日当たり128g増えるごとに、認知機能の低下リスクが20%ずつ減少。
・乳製品に多く含まれる短鎖脂肪酸の1日の摂取量が297.3mg増えるごとに認知機能の低下リスクが14%減少。
そしてこの研究において様々な乳製品を被験者の方に試したところ血中BDNF濃度が他の乳製品を摂取した被検体の方に比べて著しく高い数値を記録した乳製品がありました。
それがカマンベールチーズだったのです!
⓷認知症対策に極めて効果的!カマンベールチーズとは?
カマンベールチーズは軟質チーズの表面に白カビを生やして熟成させたチーズです。
この白カビを使用したチーズというところが他のチーズとの特徴といえるのですが、上述の研究においてカビ発酵のないチーズを摂取した被検体の方と比べると明らかに高いBDNF数値を記録したそうです。
このデーターにより乳製品にカビ発酵と言うひと手間を加えたものが極めてBDNFの維持・増加に効果的であるということが判明しました。
⓸カビ発酵チーズのカマンベールチーズとブルーチーズ。どっちが効果的?
さてカビ発酵させたチーズと言えば最近ブルーチーズの名前をよく聞きようになりましたよね。
テレビの罰ゲームやとんねるずさんの食わず嫌い選手権などで食べたことはなくても名前はご存じの方も多いのではないかと思います。
ブルーチーズは青カビを発酵させたチーズですが実はこのブルーチーズもカビ発酵している乳製品のため認知症に効果的な乳製品であるというデーターが記録されています。
しかしこのカビ発酵チーズと言う共通点のあるカマンベールチーズとブルーチーズですが両者を比較した場合より認知症に効果のあるチーズはカマンベールチーズであるといえます。
脳内には海馬のほかにも様々な細胞から構成されていますがその中に免疫細胞のミクログリアという免疫細胞があります。
免疫細胞は細菌や異物と戦い異常な状態を正常な状態に戻す役割を担う強力な力を持つ細胞です。
その一方でこの細胞が暴走すると正常な神経細胞を誤って攻撃してしまうということにもなりかねないのです。
最近の認知症の原因をめぐる学説ではこのミクログリアが炎症などで暴走し脳内の神経細胞を傷つけることでBDNFが減少してしまうことが認知症の最大の原因とする説が有力です。
しかしこのミクログリアの炎症ですが、カマンベールチーズ特有の白カビを発酵させることで生じるオレイン酸アミドとデヒドロエルゴステロールという成分がミクログリアの炎症を抑える強い効果を持つということが最近の研究結果で判明したのです。
まさにカビ発酵チーズの中でもカマンベールチーズこそが認知症予防の王様であるといえるのです!
以上「アルツハイマー型認知症をカマンベールチーズで予防?」についてまとめてみました。