パパ活やり逃げ問題被害者は加害者にお金を請求できない？問える罪は詐欺罪のみ？

大人気ＹｏｕＴｕｂｅチャンネル令和の虎の元志願者の菅野雄大さんに起こっているパパ活やり逃げ疑惑騒動。
人気ユーチューバーの告発に続き実際に被害に遭った女性もＳＮＳで告発を行うなど動きが大きくなっています。

さて現在のようにマッチングアプリが普及し男女が気軽に会うことが可能になった昨今においてこのパパ活やり逃げ問題も大きくクローズアップされつつありますよね。

そこで気になったのが果たしてやり逃げ被害に遭った女性は加害者にどのような責任や罪を問うことができるのかということ。

気になったので調べてみました！
以下「パパ活やり逃げ問題　被害者は加害者にお金を請求できない？問える罪は詐欺罪のみ？」としてまとめていきます。

➀パパ活やり逃げ問題　被害者の女性は加害者に約束の代金を請求できる？

まずは民事の観点から見ていきましょう！
やり逃げ被害に遭った女性は加害者の男性に代金を請求できるのでしょうか？

この点調べたところ驚くべき結果が判明しました。
意外に思われるかもしれませんがパパ活の内容がデートではなく自らの体を提供するといういわば売春目的の場合はお金を請求できません。

このような「１回のＨで１０万円」というような契約は民法９０条でいう公序良俗に反する無効な契約と扱われます。

そのため大元の契約が無効なので仮にやり逃げ被害に遭ったとしても女性は相手方のやり逃げをした男性にお金を払えと請求することができないのです！

さてここで気になったことはありませんか？
歓楽街にはお金を払ってＨができるソープランドという素晴らしいお店があります。

上述のパパ活が無効な契約というのであればこのソープランドはどうなのでしょうか？
以前日本一高いお店とされる超高級店のソープランドについて記事にしましたがお金はそもそも払う必要はなくタダで美女とＨができるということになるのでしょうか？

残念ながらそうはいきません（笑）
ソープランドの料金はよくみると入浴料となっていますよね。

あのお金と言うのはＨの対価ではなくあくまでも美女とお風呂に入るサービス料なのです。
そしてあくまでもお風呂に一緒に入った結果恋仲になりＨに発展したという筋書きなのです。

そのため入浴料としての料金である以上無効な契約とは言えないため踏み倒した場合は民事上の責任を問われます。
（もっとも民事裁判になる以前に恐ろしいことになりそうですが・・・）

まさしく法の抜け穴と言えますよね（笑）

このようにパパ活やり逃げ問題はＨを目的とした内容である以上は無効な契約と言うことになり加害者に民事の観点からお金を請求することはできません。（文字通りやり逃げです。）

では何らかの刑事責任は問えるのでしょうか？
特にＨのために払うと言ったお金を払わなかったわけですから詐欺罪に該当するのではないかが論点となります。

実はこの点判例でも見解が分かれておりこの問題は非常に難しいテーマなのです。

元々の契約が公序良俗に反した無効な契約である以上はお金を払わなかったからと言って詐欺罪には問えないとする裁判例が札幌高等裁判所で出されています。（札幌高裁昭和２７年１１月２０日）

その一方で元々の契約が無効であってもそれと詐欺行為は分けて考えるべきとして詐欺罪を認めた裁判例がそのわずか３年後に名古屋高等裁判所で出されています。（名古屋高裁昭和３０年１２月１３日判決）

とどのつまりパパ活やり逃げ問題で加害者に詐欺罪を問えるか否かは「裁判をしてみなければわからない」というのが現状の様です。

以上「パパ活やり逃げ問題　被害者は加害者にお金を請求できない？問える罪は詐欺罪のみ？」でした。

民事では完全になすすべなし。
刑事も詐欺罪に問えるかは出たとこ勝負というのがその結果と言うことになります。

しかし被害者にすれば刑事罰すら相手に問えないとなるとかわいそうな気もしますよね。

ちなみにこの記事を書くきっかけになった令和の虎元志願者の菅野さんですが有名人になりたいという願望を強くお持ちの方です。

上述の詐欺罪に関す判例は２つとも高等裁判所どまりのもので最高裁まで争われたケースはいまだないのですが・・・もし今回の騒動が裁判に発展し最高裁までもつれる展開になれば菅野さんが日本の裁判史にその名を残すことは間違いなしです！（笑）

個人的にはその展開に期待してしまいます（笑）

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