週刊モーニング連載漫画、手塚治虫AI作ぱいどんのphase1前編のネタバレ感想です。

「もし今漫画の神様こと手塚治虫さんが生きていたら、どんな未来を漫画に描くだろう?」をテーマに、テクノロジーとAIを用い手塚治虫の新作漫画を制作・発表するプロジェクト「TEZUKA2020」。
 このプロジェクトで完成した漫画『ぱいどん』が、今日2月27日発売の漫画誌『モーニング』13号(講談社)にて掲載されます。
 話の概要としては管理社会が進んだ2030年の東京を舞台に、記憶を失くしたホームレスの哲学者が、小鳥ロボットの「アポロ」と共に事件の解決に挑むストーリーとのことですが、一体どのようなストーリーが展開されるのでしょうか?早速気になるストーリーを見ていきましょう!




手塚治虫ぱいどんストーリー

 舞台は2030年の東京・・・財布や携帯すら持ち歩く必要のない全てがスムーズかつ合理的なデジタル社会の反面、顔認証システムにて個人情報は厳しく管理・監視されている・・・物語はそんな東京のとある公園から始まる・・・・

 公園のピエタ像のそばで1人の青年、人の言葉をしゃべる小鳥のアポロ、そして「fortune teller」(占い師、預言者)と機体に書かれているロボットの3人が他愛もないやりとりをしている・・・3人の会話のやりとりから青年は記憶喪失であることがうかがえる・・・そしてこの青年こそ本作の主人公であるぱいどんなのであった。

 そんななか3人のもとに2人の姉妹が訪れる・・・姉妹の名前は及川アンそして妹の及川イスミ。そして唐突にぱいどんに対して「あなたにお願いがあります」と切り出すアン。姉妹のお願いというのは姉妹の父である及川定倍の行方を捜してほしいというもの・・・・

 アポロによると及川定倍は1971年生まれの科学者かつクリーンエネルギー開発の第一人者であり海水からエネルギーを作り出す研究者とのこと。そして姉妹曰く「あと少しでクリーンエネルギーの研究が開発が完成するというところころで博士が行方不明になってしまった。」とのこと。

 ぱいどんは当初は「・・・悪いけどこの依頼にはのれない」と姉妹に断りを入れるも、姉妹からの謝礼として提案された新潟産の天日干し乾燥のコメを差し上げるといわれたこと、そして姉妹が母親を亡くしたばかりということに心を動かされる。そしてそんなぱいどんに占い師ロボットも「この姉妹を救いなさい。そうすればぱいどん自身も救われることになる」と意味深な助言をしたことで結局姉妹の父親探しの依頼を引き受けることになった。

 すると突然アポロが自分の腹部から義眼をとりだすとそれをぱいどんに渡す・・・そしてぱいどんはその義眼を自身の左目にはめ込む・・・するといままでと様子が一変!!目つきや言葉遣いがガラッと変わり明らかに「名探偵モード」に!及川姉妹もその変貌ぶりに思わず呆気にとられてしまう・・・

 ぱいどんが姉妹に及川博士の姿が顔認証システムによる監視カメラで最後に確認できた場所を尋ねると博士の研究所ということだった。そこで手掛かりを探すべく研究所へと車で向かうぱいどん達。その車内の中でぱいどんはいくつか姉妹に質問をする。

ぱいどん「博士と連絡が取れなくなったのはいつからだ?」

アン「6日前です。」

(その答えに対し「んん・・・ギリギリだな・・」と少し難色を示すぱいどん・・・アポロ曰くどうやら行方が取れなくなってから1週間経過してしまうと発見できる確率が下がってしまうようなのだ・・・)

ぱいどん「博士は何か事件に巻き込まれていると思うか?それとも自分で姿を隠したとか?」

姉妹「わからないんです・・・本当に・・・」

ぱいどん「母親が亡くなったことと博士の失踪と関係があると思うか?」

すると妹のイスミが「あっ!」と何かを思い出したようだ・・・イスミによれば母親が死んで悲しんでいるイスミに及川博士が「ママは死んだ・・・でも死ぬべくして死んだんだ」と意味深なことを言っていたというのだ・・・しかしイスミにもその発言の真意まではわからないとのこと。

 そんなやりとりの中、及川博士の研究所へと到着する・・・・すると研究所の周りに無数のネズミの死骸があちこちに横たわっている・・・

「スキャン!」とぱいどんが義眼の力でネズミの死骸を調べるとネズミの体内(腹部)に昆虫のようなものが・・・その「昆虫」という言葉で「あっ!思い出した・・」というアン。そして「これ何かの役に立つかしら?」と手帳をぱいどんに手渡す。なんでも博士の手帳で研究所に置いてあったものだということ。手帳をさっと見るぱいどん・・・手帳には無数の昆虫の図が記されている・・・「博士は昆虫の研究もしていたのか?」と姉妹に尋ねるぱいどん。しかし姉妹は思い当たる様子はないという・・・

 そんななかネズミの死骸を調べていたアポロが衝撃的な一言を・・・ネズミの体内にある昆虫はロボットだというのだ・・・

ぱいどん「どういうことだ!?」

(phase1前編おわり)

手塚治虫ぱいどん感想

 まずは絵のタッチ。さすがAIに手塚治虫を学習させてだけのことはあり個人的には手塚治虫に似ているなと思いました。また主人公のビジュアルは「どろろ」の百鬼丸を、そして義眼により超人的能力を発揮するのは「三つ目とおる」の写楽を、そしてぱいどんとアポロの関係は「ブラックジャック」のブラックジャックとピノコを連想させられ手塚作品を読み漁っていた少年時代を思い出してしまいました。

 さて、肝心のぱいどんについての感想ですが、ここまでは十分面白いと思います。クリーンエネルギーを研究していたはずの及川博士とネズミの死骸の体内の昆虫型ロボットの関連は?また及川博士の姉妹の母は「死ぬべくして死んだ」という言葉の真意は?など謎が謎を呼ぶ展開で十二分に話に引き込まれてしまいました。次回のphase1後編が待ち遠しいところです。

今後のぱいどんの掲載予定について

 さてそんなぱいどんの気になる今後についてなのですが、次回phase1後編の掲載は現時点では未定とのことです。しかし朗報です!!なんと3月19日に後編掲載についての情報が、「世界新記憶 TEZUKA2020サイト」に掲載される予定とのことなのです。おそらくこのタイミングで後編の掲載予定日が発表されるのではないでしょうか?気になる人は要チェックですよ!!