今回は久々に黄泉きかせのネタバレ感想を書きたいと思います。紹介するのはアップされたばかりの23話「順番」です。こちらも本家「闇芝居」に勝るとも劣らない非常によくできた名作となってます。




黄泉きかせ第23話「順番」あらすじ

 場面は電車のホーム。階段から人相の悪い若い男が下りてきて、電車乗車口前に列ができているのもお構いなしとばかりに最前列へと割り込む。
 その男が来るまで最前列に並んでいた男が「ちょっと。君!」と文句を言うも「あ?なんだよおっさん?」とすごみ逆に睨みつける若い男。そのあまりの剣幕に何も言えない男‥‥そんな男の様子を見て若い男は「何も用がないなら話しかけんなよ?オッサン!」とふてぶてしい態度で到着した電車に乗り込み空いている席にどっかりと座るのであった‥‥(そんな若い男の様子をじっと見る老人)

 場面は変わりラーメン屋人気店なのか行列ができている。最前列の客が店内に案内され次は親子(母親と男の子)が案内を待っている。2人とも案内されるのを心待ちにしている‥‥その時強風が吹き男の子の帽子が飛ばされてしまう‥‥そして母親が男の子の帽子を取りに列から離れた一瞬の隙に‥‥なんと冒頭の若い男が現れここでも列に横入りをしてきたのだ。

 若い男の割り込みに対し文句をいう親子‥‥しかし全く若い男は取り合おうとしない。挙げ句の果てには「順番を守るなんて馬鹿のすること。俺は時間を節約する賢い人間なんだ。」と言う始末‥‥怒り、そして呆れかえった母親は男の子をつれて店から立ち去るのであった‥‥(そして、ここでも一連の様子を見守る老人の姿が‥‥そして「さてと‥‥運命の時間じゃな‥‥」と意味深な発言をするのであった‥‥)

 ラーメン屋から立ち去ろうとする親子。その時再び強風が吹き男の帽子が車道に飛ばされてしまう‥‥そして男の子自ら飛ばされた帽子を車道に拾いに行ったその時!
 トラックが走ってきた‥‥男の子を見て慌ててハンドルを切る運転手‥‥しかし間に合わずトラックは男の子と列に割り込んできた若い男の2人をはねてしまう‥‥

若い男

「一体‥‥何が起こったんだ‥‥」と気を失ってしまう‥‥

 若い男が意識を取り戻すと、何やら教会のような建物の中にいた。そしてドアの前にケガをした人々が列をつくり並んでいる。そしてその列の先頭には先ほどの男の子が並んでいる。

若い男

「ケガをした奴等が並んでいる‥‥ここは病院か?」

 すると突然、列の最前列横に若い男の一部始終を見ていたあの老人が現れ「次の方‥‥どうぞ」と列に並んでいる人間の誘導を始め男の子をドアの中に案内しようとした‥‥

若い男
「待てよ。そんなガキより俺の方が先だ」

老人
「ダメじゃ‥‥お前は列に並んでおらん。」

若い男
「どうみたって俺の方がそのガキより重傷だ」

老人
「この子は頭を打っておる‥‥この子が並んでおるものの中で最優先だ。そして順番を乱すことは許されん」

 しかし、若い男は老人の「待ちなさい」という再三の注意も聞かず「順番なんて俺には関係ない!俺が先だ!どけ!」といい男の子を押しのけドアを空け中に入ってしまう‥‥

 一体ドアの中は?そして男の運命は?そして老人は何者なのか?

黄泉きかせ第23話「順番」結末

 場面は病院。男の子がベッドで寝ている。側には医者と看護婦そして母親が‥‥

医者
「いやー、お母さん。正直私も驚きました‥‥外傷はないものの頭を強く打っていて本来なら即死でもおかしくなかったのに‥‥でも。もう大丈夫!山は越えました!あとは意識が回復するのを待ちましょう!」

母親
「先生!ありがとうございます。」

医者
「それではお大事に。」
そう言って退室する医者と看護婦。そして廊下を歩きながら男の子について会話をする。

看護婦

「先生。こんな奇跡ってあるんですね。正直あの男の子は助からないかと思っていました。子供の生命力って凄いですね。」

医者
「ああ。本当にそうだな。しかし、あの子と一緒に運ばれてきたあの青年は気の毒だったな。」

看護婦
「そうですね。あの子と違い外傷はあるものの脳や内臓には全く問題がなかったので助かると思っていたのに‥‥突然の出血性ショックで亡くなってしまうなんて‥‥神様って残酷ですよね。」

その会話の様子を見ている老人

「残酷なのはわしではない。残酷なのは人間の心じゃ‥‥それにしてもあの男時間を節約するとか言っておってな‥‥自分達の寿命まで節約するとはな‥‥」

黄泉きかせ第23話「順番」感想

 老人の正体は神様。そして若い男が目にした教会のような建物でドアの前に列をなしていたのは死にゆくものがその運命に従い死んでいく順番に列をなしていたというもの。(すなわちドアの向こうは死後の世界。)
 本来であれば男は列の最後尾に並ぶべきでありトラックの衝突事故で死ぬ運命ではなかったものの、建物は病院でドア内には医者がいると勘違いし、真っ先に死ぬ運命であった男の子を押しのけドア内の死後の世界へ飛び込んだために結果として男の子を助けるかたちとなりました。
 
 黄泉きかせシリーズとしては大変珍しい悪い奴が自業自得と言うべき形で自滅し結果人助けまでするというハッピーエンドとなりました。
 そういう意味でもよくできたストーリーというだけでなく印象深いお話しとなりました。