本ブログでたびたびお話ししていますが私はかつて国土交通省の出先機関である運輸局に勤務していた元国家公務員です。
当時の経験をもとに国家公務員に関する記事も書いているところ同じ運輸局の方はもちろん他の行政機関に勤務される方からも記事について「共感した」「楽しみにしている」といったコメントをいただく機会が多いです。
さて先日よくコメントをいただく労働局にお勤めのSさんからの情報をもとにネットでみかけた国家公務員出先機関人気ランキングなるものについて先日記事を書きました。
私の見つけたサイトではSさんの勤務する労働局がかなり人気が高いという内容だったのですが・・・先日そのSさんから再びコメントを頂戴しました。
コメントの内容は労働局ではどのように転勤が行われているかといった情報提供に加えて私の元職場運輸局とはどのような点が大きく違うのか言及した記事を書いてほしいという要望のコメントだったのですが・・・
そのSさんからの情報提供で何故国家公務員志望者の間で労働局の人気が高いのかということにつき悟りを開くことができました(笑)
そこで今日は「国家公務員 出先機関 労働局はなぜ人気が高いのか?」として労働局の人気の高さに迫ってみたいと思います。
➀国家公務員出先機関 労働局の人気はなぜ高い?その要因は組織の特殊性!
何故国家公務員出先機関の中で労働局の人気は高いのか?
その要因はズバリ労働局という組織の特殊性にあるといえると思います。
正直受験生時代とくに希望先もなく詳しく各行政機関について調べることのなかった私・・・
Sさんからのコメントをいただくまで国家公務員の出先機関というものはどこも同じようなものだと思っていました。
しかしどうも労働局は運輸局と大きく違う特異点があることが判明したのです。
以下運輸局の組織概要とともにここらへんについてお話ししていきます。
➁国家公務員出先機関 運輸局の組織概要
私の元職場運輸局は国土交通省の出先機関として北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄といった各エリアごとに設置されています。
そしてエリアごとに設置される運輸局を頂点として各種支局や支所に組織が枝分かれしていきます。
例えば関東を例にとると東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨に支局が設置されます。
そして東京都を例にすると自動車のナンバーは東京支局の管轄する品川ナンバー以外に練馬・足立・多摩・八王子の4つのナンバーが存在しますがその数に対応するだけの車検場が関東運輸局の支所として設置されるという具合です。
調べたところこのように複数の府県を管轄とする出先機関を「管区機関」という言い方をするようです。
・・・恥ずかしい話ですが国家公務員の出先機関はどこもこの管区機関だと思っていたのですが労働局は全く違う組織だったのです。
⓷国家公務員出先機関 労働局の組織概要
上述のように国家公務員の出先機関について調べたところ複数の府県を管轄する出先機関を管区機関ということがわかったわけですが・・・1つの府県を管轄とする出先機関も存在するようです。
そしてその最たる例が労働局だったのです。
つまり厚生労働省の出先機関としての労働局が各都道府県ごとに設置されているということです。
また東京都を例にとると東京労働局が本部として設置・・・その支所として東京都に所在地を構える労働基準監督署と公共職業安定所が設置されているというかたちになるわけです。
ちなみにこの労働局のような出先機関を「府県単位機関」という言い方をするようです。
⓸運輸局と労働局 管轄の違いがもたらす転勤の決定的な違い
さてこのように私の元職場運輸局は管区機関として関東全域をその管轄とする組織であるのに対しSさんの勤務する労働局は府県単位機関として1つの府県を単位とする組織であるという大きな違いがあります。
そしてこの違いはそっくりそのまま国家公務員の宿命ともいえる転勤について決定的な違いをもたらすことになります。
国家公務員は1~3年のスパンで人事異動が発令され転勤を繰り返すわけですが・・・
私の元職場関東運輸局は管轄が関東全域・・・すなわち東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨がその管轄エリアのため極端のな例ですが山梨から茨城への転勤というような引っ越しを伴うような転勤も数多くあります。
また引っ越しを伴わないまでも横浜から大宮といった片道2時間以上といった人事異動が下ることもざらです。
私の知り合いでは横浜から茨城県の土浦まで片道3時間以上かけて3年間通っていた職員もいました。
一方労働局を見てみましょう。
運輸局とは違い管轄は東京労働局なら東京都のみです。
つまり他県をまたぐような転勤はあり得ないのです。
これは住居を利便性の良いところに1度構えてしまえば超時間通勤を気にしなくてよいということを意味します。
この差は大きいですよね~
⓹運輸局と労働局 管轄の違いがもたらす地域手当の決定的な違い
そしてもう1つ管轄の違いがもたらす決定的な違いがあります。
それは地域手当です。
国家公務員には給与に地域手当という手当が支給されます。
これは勤務地所在地によって基本給の0~20パーセントの額が手当として基本給にプラスされます。
そして都会であればあるほど割合は高く東京都23区はみな総じて最高割合の20パーセントです。
誰しもがどうせ働くなら少しでも高い給与を得たいところ・・・
しかし運輸局の場合は23区内に事務所を構える官署は4つ(品川・足立・練馬・江東)のみ。
大体ですが全体の10パーセントほどです。
そして上述のとおり東京以外にも異動の可能性はあるためこの地域手当20パーセントをゲットするのはなかなか至難の業です。
(ちなみに私は約20年働いて23区で働いたのは1度のみでした(涙))
また神奈川県の相模の車検場は地域手当が0パーセントという非常に悲しい職場です(笑)
地域手当は仮に20パーセントのところから0パーセントの官署に異動になったとしても1年目は20パーセント、2年目はその8割の16パーセントが支給されます。
しかし3年目に突入した場合は問答無用で0パーセントになってしまい給与が大幅ダウンしてしまいます。
一方労働局の場合・・・特に管轄が東京都のみの東京労働局を見てみましょう。
組織図を調べてみたところ労働局本局はもちろんのことその下に設置される労働基準監督署や公共職業安定所の半数以上が特別区に所在。
また一番地域手当が少ない三鷹市の公共職業安定所ですら10パーセントの地域手当が支給されます・・・
う~ん・・・運輸局とは雲泥の差だ・・・(笑)
⓺「国家公務員 出先機関 労働局はなぜ人気が高いのか?転勤と地域手当が原因?」まとめ
以上「国家公務員 出先機関 労働局はなぜ人気が高いのか?転勤と地域手当が原因?」まとめでした。
今回改めていろいろと労働局について調べてみたのですが・・・
引っ越しの心配もなく地域手当も最低でも10パーセントは保証される労働局・・・
安定がウリの国家公務員の中でも際立って好待遇といえますね。
人気ランキングの高さ・・・そして運輸局よりも人気が高いのも納得です(笑)
私のように特にやりたい職種があるわけでもなくとりあえず安定した生活が欲しいから国家公務員を志望されるという方はこういった転勤や地域手当の観点から労働局を希望されても間違いではないのではないでしょうか?