本ブログで度々お話ししていますが私は国土交通省の出先機関の運輸局に勤務していた元国家公務員です。

その経験を生かした国家公務員系の記事も本ブログでは取り扱っているところです。

さて今日取り扱うのは国家公務員の転勤・・・すなわち人事異動についてです。

先日よくコメントをいただく労働局勤務の現役職員Sさんから「運輸局ではどれくらいの頻度で転勤が行われるのか?」という質問をいただきました。

そこであくまで運輸局の場合をベースにした内容になりますが国家公務員の転勤についてまとめていきたいと思います。




➀国家公務員の転勤 人事異動はどれくらいの頻度で行われる?

国家公務員の転勤は1年から3年・・・この期間内で繰り返されることが大半です。
ですので同じ職場に最短1年長くて3年という感じですね。

もっとも何事も例外があります。
人や事情によっては1年足らずの9カ月で転勤という職員もいましたし、その逆の5年同じ職場にいたという職員もいます。
実はかくいう私も同じ職場に最長5年在籍したことがあります。

ちなみにこの1年から3年という枠をはみ出す職員ですが・・・
基本的には組織の鼻つまみ者たちです(笑)

➁国家公務員の転勤 病気や病気の看護のためであれば5年以上同じ職場に!

このように国家公務員の転勤は大半が1年~3年。
長くて5年というところなのですがさらなる例外中の例外が2つあります。

それは➀職員自身が障害者でかつその職員の勤務場所がその職員にとって一番通勤の利便性が良い職場の場合➁職員の家族に重病人がおりその看護のために今の職場から転勤させられては困るという場合です。

この場合は2ケタの10年以上転勤がなく同じ職場に在籍ということがあります。

私も実際半身不随の職員と勤務したことがありましたがその職員は同じ職場で15年以上在籍していました。




⓷国家公務員の転勤 何故1年から3年がほとんど?地域手当との深い関係?

さてここで少し話は変わりますが・・・
上述のように大半の国家公務員は1年~3年の間での転勤を繰り返します。

しかし実際のところは3年目に突入する職員は少数です。
実際のところ長くて2年というのがほとんどです。

何故か?

実はその理由は以前別記事でお話しした地域手当と関係があるのです。

⓸国家公務員の手当 地域手当について

国家公務員には地域手当という手当が基本給に加算されます。
これは勤務する職場の所在地によって割合が決定されています。
(東京都23区内であれば20%、神奈川県川崎市は16%・・・といった具合です。)
例えば23区内に勤務する職員の基本給が20万円の場合はそれに20%の4万円が加算され24万円の給与となるわけです。

さてここでですが・・・転勤によって地域手当が20パーセントから0%のところに異動することになったケースを考えましょう!

地域手当が20%から0%の職場へ転勤・・・0%ということは地域手当が支給されず一件最悪の罰ゲームのように思われますよね。

しかしここには大きなからくりがあります。
実は国家公務員が転勤した場合の地域手当は異動前と異動後の地域手当を比べて異動前の割合が高い場合は2年間はそちらの数値をもって地域手当を算出することになっています。

少し具体的に見ていきましょう!

例)職員が地域手当20%の部署から0%の部署へ転勤した場合

・1年目

異動前の地域手当と異動後の地域手当の高い数値が適用⇒異動前の地域手当20%がそのまま支給されます。

・2年目

異動前の地域手当に八掛けした数値と異動後の地域手当の数値のうち高い数値が適用⇒20%×0.8で地域手当16%が支給されます。

ところが3年目に突入した場合はこうはいきません(笑)
3年目からは問答無用で異動先の地域手当が適用されるのです。
つまり今回のケースでは3年目からは地域手当が一切支給されないということになるわけです。

このようなことがないため特に地域手当が割合が高いところから低いところに転勤した場合は2年内での転勤が行われることがほとんどです。

まれに3年目に突入する職員もいましたが・・・私の知る以上全員問題職員でした(笑)

⓹「国家公務員の転勤 転勤はどれくらいのペースで最長は何年?地域手当とも関係が?」まとめ

以上「国家公務員の転勤 転勤はどれくらいのペースで最長は何年?地域手当とも関係が?」まとめでした。

ちなみに職員当時は運輸局から干され続けた私ですが・・・
何故かこの地域手当だけは考慮されていたようで12パーセントを切ったことはありませんでした。
運輸局にも多少の良心はあったということなのでしょうか・・・

いや・・・そんなはずはないな(笑)