別記事でも書きましたがコロナショックによる景気先行き不透明感から今年以降の公務員試験人気は爆発的なものになるのではないかということが予想されます。特に東京オリンピックが万が一中止になった場合は過去最大といってもいいくらいの、ものすごい倍率になるのではないかと思います。

 さてその公務員試験なのですが試験科目は大きく分けて教養科目と専門科目に分かれます。大卒程度を対象としている試験であれば教養、専門とも勉強しなくてはいけませんが一口に教養、専門といっても実は覚えなくてはいけないことは沢山あります。(まれに大卒程度を対象とした市役所試験では試験科目が教養科目のみというところもありますが・・・)

 例えば教養試験であれば、国語、数学、理科、社会、英語が試験科目になります。しかし一口に数学といっても判断推理、数的処理、資料解釈、空間把握と科目があり、さらには理科においても生物、化学、地学、物理が、そして社会においては日本史、世界史、地理、政治・経済と科目が多岐にわたっています。
 また専門科目については、これは法律系や経済系の学問を指すのですが憲法、民法、行政法、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学、会計学、統計学、政治学、行政学、社会学、国際関係論、労働法、刑法、商法といった科目を勉強しなくてはいけないのです。

 昨今のコロナショックによる経済状態を危惧して公務員試験を考えるという方も多いのではないかと思いますが、それと同時に試験科目の多さを見てやる気をなくしたという人も多いのではないかと思います。まあ、実際のところはこれらすべての科目をマスターしようとしなくても、すなわち捨て科目を作っても試験自体は合格します。(実は私は元国家公務員です。)一通りやってみて苦手意識の強いものは捨て得意なものを確実な得点源にするということが必要です。
 例えば国家公務員試験一般職の場合だと政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則及び物権)、民法(債権、親族及び相続)、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学・経済事情、経営学、国際関係、社会学、心理学、教育学、英語(基礎)、英語(一般) の16科目の中から8科目選んで試験に回答するという形になっているので、極端な話ですがこれらのうち8科目は勉強せずに、その分ほかの比較的点が稼げるものに時間と労力を割き効率的に勉強するということが可能なのです。

 さて私自身捨て科目を作り無事に国家公務員試験及び地方上級試験に合格した経験を持つのですが、多岐にわたる試験科目の中からこの科目だけは公務員の実務を行う上でも役に立つのでこれだけは捨て科目とせずにやっておいたほうがよいという科目がいくつかあります。そこで実際の経験を踏まえ「これだけはやっておいたほうがよい公務員試験科目」として以下書いていきます。




英語

 
 まずは英語です。とくに窓口業務の場合日本語が全く話せないくせに「英語こそ世界の公用語」といわんばかりに堂々とやってくるアメリカ人は多いです。(しかも何の手続きに来たのか自分自身でわかってない場合もある。)こう言った場合英語が話せなくても文章さえ書けて、また英文訳ができれば筆談でなんとかコミュニケーションが取れます。
 また試験、特に国家公務員試験での話をしますと教養科目の文章理解の他に専門科目でも試験解答に必要な8科目のうち2科目を英語で回答するということもできるため英語を重点的に勉強し絶対的な武器にすることも合格のための戦略の1つといえます。

判断推理、資料解釈

 英語は実務といっても窓口業務においてのみ必要性を感じましたが、実際の実務の上でやっておいてよかったと思ってのはこの判断推理、資料解釈です。実務で働くと通達や事務連絡というものに必ず目にすることになります。これは法解釈の指針や制度概要を示した業務マニュアルのようなものなのですが・・・まあ役所の人間が作るだけあってとにかくわかりずらい!本当に読んだ人間に理解してもらおうという気持ちがあるのか疑いたくなるほどまわりくどい文章です。そういった文章を正しく理解するうえでしっかり文章を読み理解することが大事です。

 また戸籍謄本や商業登記簿謄本といった書類を目にすることもあるでしょう。戸籍に記録されている事項を正しく理解するということも実務では必要とされます。今のうちからしっかり鍛えておきましょう。

数的処理

 

 最後は数的処理です。公務員の仕事をしていると法制度の中でどううまく対応していくかという決断に迫られることが多々あります。そのような状況下においてうまく解決に導くために数的処理はいいウォームアップといえるでしょう。
 
 そんなわけで実際の公務員としての経験を踏まえてうえで特にこの試験科目は実務においても役立つと思うものを完全に独断ながら挙げてみました。本当にこれからしばらくの間公務員試験は狭き門となるでしょうが、志望される方々のご健闘を祈りたいと思います。