本ブログで度々お話していますが私は元国家公務員です。
そして本ブログで当時パワハラを受けていた元上司に関して告発を行った記事などを掲載しているところです。
さて一般的にハラスメントと言うとパワハラやセクハラといったハラスメントを思い浮かべる方が一般的なのではないでしょうか?
そしてこれらの2大ハラスメントに共通しているのはいずれも職場内部の人間からのハラスメントであるということですよね。
そんななか最近大きな注目を集めているのが職場外部の客によるカスタマーハラスメント。略して「カスハラ」です。
今200円弁当など安さと量に定評のある24時間営業の弁当屋「キッチンDIVE」さんで来店した男性2人組が従業員を恫喝し効果を投げつけるなどしたとされるカスハラが大きなニュースとなっていますよね。
そして当然のごとくこのカスハラ。
国家公務員にとっても以上に悩ましいハラスメントなのです。
キッチンDIVEさんは速やかに警察に被害届出を出し受理されたようですがこれが国家公務員の場合仮に警察へ被害届け出を出したとしてもそう簡単には受理されないようなのです。
今日は「国家公務員へのカスハラ 警察への被害届け出は受理される?」についてまとめたいと思います。
➀カスハラの定義とは?
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客や取引先からの悪質なクレームや不当な要求を言います。
例としては顧客からのセクハラまがいの言動・行動や些細なミスに対して土下座を求めるといったケースが典型例として挙げられます・・・要は職場外部からのパワハラ・セクハラであるということですね。
➁国家公務員へのカスハラ・・・急増する恫喝や暴言を伴わないカスハラ
さてこのカスハラですが・・・キッチンDIVEさんの件でここ最近大きく取り上げられてはいるもののこういった顧客による圧力と言うのは公務員時代は日常茶飯事と言ったところでした。
私も公務員時代「何故これでできないんだ!殺すぞ!」といった暴言はもちろんモノを投げつけられるあるいは髪の毛を掴まれるなんてこともざらにありました。
ところが最近ハラスメントというものが世に広く認知されてきたこと。
それに加えて公務員への暴行や恫喝などで逮捕されるといったニュースが大きく取り上げられるようになったことが起因してか国家公務員へのカスハラに異変が・・・
それは恫喝や暴言を伴わないカスハラが急増しているのです。
⓷私が国家公務員時代に実際見た恫喝や暴言を伴わないカスハラ事例
ではここで私が国家公務員時代に実際見た恫喝や暴言を伴わないカスハラ事例でいまでも鮮明に記憶に起こっている事例を紹介したいと思います。
それは「私には知る権利があります。ですからここで気になったこと全てについて教えてくれるまでは窓口を離れません!」といって「今それを聞いてどうするの?」という質問を延々と行い窓口業務を停滞させてくるというものです。
私は国家公務員時代に主に車検場に勤務していました。
そして車検場には敷地の中に車検場・自動車税業務を管轄する県税事務所・自動車のナンバーや国に納付する手数料印紙を販売するナンバーセンターという3つの組織が入っています。
このカスハラを行った人物は
「何故国の敷地に別組織の県税事務所やナンバーセンターが入っているんですか?」
「県税事務所とナンバーセンターの土地と建物は自己所有ですか?それとも国から貸しているんですか?」
「何故手数料の印は国の組織の車検場ではなく別組織のナンバーセンターで販売しているんですか?」
という質問を連発。
さらには「国家公務員は何故土曜日と日曜日が休日なのでしょう?」という質問にまで波及。
いくらこちらが答えても質問が終わる気配が全くありません。
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この終わりが全く見えない様子に並んで待っている申請人もしびれを切らし「さっきから 何をくだらないことを聞いているんだ。いい加減にしろ」と激怒します。
・・・普通だったらここで謝罪の一言でも入れて窓口を離れますよね(苦笑)?
しかしカスハラを行う人物は伊達ではありません(笑)
上述の通り「私には知る権利がある!納得するまでは窓口を離れるつもりはありません!」と大声で意味不明な宣言を行い引き続き質問を連発。
あげくのはてには「さきほど私はあそこの並んでいる人に恫喝された。何故何も注意をしてくれないのか?」と言い出す始末(笑)
私は遠く離れた席から「うわ・・・マジでヤバい奴だ(笑)」とあきれ果てたのを今でも鮮明に覚えています。
※結局この人物は1時間以上窓口に居座り退散しました。
⓸国家公務員へのカスハラ 警察への被害届け出は受理される?警察官に聞いてみた!
さてこのような公務員へのカスハラ・・・中でも最近急増している恫喝や暴言を伴わないカスハラに対して有効な方法はあるのでしょうか?
カスハラとは職場外部からのパワハラやセクハラ。
これが職場内部の者であれば職場の人事部や公益通報窓口と言う方法がありますが外部となると中々難しいですよね。
特に暴力はもちろん暴言や恫喝を伴うカスハラであればキッチンDIVEさん同様被害届出を出せるのですがそれらを伴わないものとなると仮に被害届け出を出したとして受理してもらえるのか?
この点実際に警察官の友人(2名)に聞いてみました。
その結果2名とも以下のようなほぼ同様の答えが返ってきました。
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「結論からいうと受理されない可能性が極めて高い。」
「被害届け出の構成要件である暴行や脅迫のような事実がない限り公務罪は成立しない。」
「何かの罪に問うとしたら『何回かお帰りください』といてるにもかかわらず帰ろうとしない場合に適用される不退去罪。ただし今回のケースの場合はこれも非常に難しい」
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やはり「暴行や暴言・恫喝を伴わない限りこれらの新手のカスハラに対しては現状何も有効な方法はない!」ということができそうですね。
⓹「国家公務員へのカスハラ 警察への被害届け出は受理される?」まとめ
以上「国家公務員へのカスハラ 警察への被害届け出は受理される?」についてまとめました。
結論は上述の通り「暴行や暴言・恫喝を伴わない限りこれらの新手のカスハラに対しては現状何も有効な方法はない!」というもの。
この公務員のカスハラに対して警察への被害届出以外に何か有効な方法はないかネットで探してみたのですがやはり警察官の友人の言う通り現状の法整備では何ら有効な方法がないようでした。
しいて言えばカスハラにより精神的苦痛を受けたとして損害賠償訴訟を起こすという方法がありますが・・・時間もお金もかかる訴訟しか方法がないというのはあまりにも不経済ですよね。
今回のキッチンDIVEさんの件から新たな法整備体制が構築されることを願ってやみません。