今日は最近普及が進むテレワーク(離れた場所を意味する「tele」と仕事を意味する「work」を掛け合わせた造語)。
 そんなテレワークが公務員には実質的に無理があるということについて書いていきたいと思います。

 今現在緊急事態宣言を受けた外出自粛要請により民間はもちろん公務員においても積極的な有給休暇の取得やテレワークを利用した在宅勤務を促進させるという流れにあるようです。

 実際に私の身内の公務員は管理職からテレワークの取得を命じられ今月2回公務員になって初のテレワークを行ったということでした。
 しかしこのテレワーク。公務員にはなかなか無理がある制度といえ、いくつかの課題を解決しない限り促進は進まないだろうと確信しています。
 今日は私の身内の現役公務員の意見も交えながらそこらへんのことを書いていきたいと思います。

公務員のテレワークは危険がいっぱい

 公務員が在宅で仕事を行うとなると、申請の許認可関係の部署の職員はテレワークとして申請書類を自宅に持ち帰って仕事をするということが考えられます。
 実は私が勤務していた役所では年に1度ほどの割合ですが職員が電車内などにうっかり書類を忘れてしまいそのまま所在が分からなくなるという事件が定期的に発生しました。
 私も現役公務員だった時に職場の同僚が出張に行き先方の個人情報書類を受け取った帰りの電車内にその書類を忘れるという失態をやらかしたことがありました。(幸いにも書類は無事に発見)
 今後テレワークが加速して申請書類や個人情報たっぷりの書類が役所から出回る機会が増えればそれだけこのような問題も増加するリスクが伴うのです。

 それならば書類関係をPDFファイルにして電子データーで自宅のPCにメール等で送信すれば書類紛失のリスクはなくなるとお考えの方もいるかもしれません。
 しかし個人情報を扱う役所は耐えずサイバー攻撃の標的にされています。
これまた私の現役の時の話ですが職場のシステムがサイバーテロによりダウンしてしまうということが何回かありました。
うっかり個人情報を送信しそこから個人情報流失という最悪のケースは十分想定されるのです。

 役所と言えばほとんどは一般国民や所管する事業者の個人情報を扱う部署がほとんどです。
 書類を自宅に持ち帰ることでリスクがあまりないのは職員の人事や福利厚生を扱う庶務係くらいなものではないかと思います。

私の身内がテレワークで行った勤務内容

 さて、では私の現役公務員の身内はテレワークで何を勤務したのか?
私の身内は個人情報かつ法律を扱う部署で勤務している職員なのですがやはり個人情報をもちだして仕事をするということにかなり抵抗があったようです。
結局彼がテレワークで行ったのは法律の勉強(民法の自習)でした。
 身内曰くテレワークの推進ということで職場の管理職から半ば強制で命じられたが中々在宅でリスクがなくできる仕事を見つけるのが大変で実際問題大半の公務員にとってテレワークというのは無理があるとのことでした。

テレワークは公務員が怠ける温床

 最後に私がもう1つテレワークは公務員にとっては無理がありやめたほうがいいと思う理由があります。
 身内曰く職員がテレワークにより在宅勤務をした場合在宅勤務管理簿なる記録簿に日付と具体的に何の仕事をしたのかを記録するそうです。
 逆にいえばその記録さえつければよく具体的に何をどこまでやったのかというチェックはされません。
 つまり実際は発売されたばかりのファイナルファンタジー7リメイク版で遊んでいたとしても記録簿にさえ「〇〇しました」とさえ記録してしまえば立派なテレワークとして認められるのです。

 また12時から13時のお昼休み以外は勤務終了時刻まで家から一歩も出てはいけないということになっています。
 しかしこちらも監視カメラで監視されるわけでもないためよほどの事件や事故に巻き込まれない限り外出しても職場にバレることはありません。

 このようにテレワークは公務員が怠けて制度を悪用してしまいかねないという負の側面も大きいのです。
 このブログでも記事を書きましたがこういった制度の盲点を悪用する職員は実際数多くいます。
そしてもちろん私も少なからず悪用したのではないかと思います(笑)

 そんなわけで今日は普及が進むテレワークは公務員にはなかなか無理があるというお話でした。