各種ハラスメントが横行する劣悪な職場環境に加え強引な人員削減や業務の電子化・IT化が国家公務員を直撃!
これによりメンタルを病んだ職員が休職するケースがとまりません。

そんな国家公務員には病気休暇という大変ありがたい制度が存在します。

しかしこの病気休暇・・・ネットを見ていると1つ誤解を招きかねない情報が出回っていることに気が付きました。

以下「国家公務員の病気休暇 クーリング期間の勤務日数には要注意!復職後20日の勤務では足りない?」としてまとめていきます。

➀国家公務員の病気休暇 制度概要的まとめ

一般的にはメンタルを病んだことが原因でしばらく仕事を休む場合は休職ということになろうかと思います。

しかし国家公務員の場合は特別休暇として連続して90日を超えない範囲で病気休暇というものを取得することができます。

この病気休暇期間中は給与も満額支給されます。
またボーナスには多少影響がある(「勤勉手当」が病気休暇取得期間に応じて減額されます。一方「期末手当は満額支給されます。」)もののその影響は微々たるもの。

実際筆者も病気休暇を2か月取得したことがありますが前年よりも手取りで5万くらい減っていたくらいです。
まさに国家公務員ならではのオイシイ制度といえますよね。




➁国家公務員の病気休暇 病気休暇を取得した事実がリセットされるクーリング期間

さてこの病気休暇。
こんなにおいしい制度であればバンバン利用したいところですよね。

そこで気になるのが「病気休暇から復職後にまた同じ病気を理由に再度病気休暇を取得することはできるのか?」ということです。

このてんについては人事院規則15-14第21条第2項及び運用通知第13の第2項で「再度病気休暇を取得する場合連続8日以上の病気休暇を終えた後の要勤務日20日以内に再度取得する病気休暇は直前の病気休暇と期間を通算する」旨規定されています。

要は「復職後20日間出勤すればまた同じ病気を理由に90日間の病気休暇が可能である!」ということですね。

※この20日間さえ出勤すれば過去の病気休暇を取得していた期間はなかった扱いになるということからこの20日間の勤務期間をクーリング期間と呼んでいるようです。

⓷国家公務員の病気休暇 各省庁ごとのクーリング期間の違いに要注意!

さてこの病気休暇がリセットされるクーリング期間。
ネット上でもほとんどのサイトで「復職後20日間勤務すれば再度同じ病気での病気休暇取得が可能」な旨掲載されています。

しかしこれ・・・正解のようで誤りなんです!

実はこのクーリング期間は各省庁によってばらつきがあります。

実際筆者の元職場の国土交通省ではこのクーリング期間は半年間という扱いになっています!

⓸国家公務員の病気休暇 国土交通省のクーリング期間の取り扱い根拠

では実際に国土交通省のクーリング期間についての取り扱い根拠を紹介します。
以下の内容の文書が発出されています。

➀人事院規則第15-14第21条各項の適用により特定病気休暇の取得が認められない場合において、引き続き療養する必要がある場合 同条第1項、第3項及び第4項に定める90日を超える時点で原則として休職とするものとする。

➁病気休暇から復帰後、6月を超えないうちに同一傷病により療養を要する場合(前号に該当する場合を除く。) 当該病気休暇(人事院規則9-82第4条に定める生理休暇等を除く)の累計が90日に達した時点で原則として休職の手続きに入るものとする。

病気休職から復職後6月を超えないうちに同一傷病により療養を要する場合原則として即休職の手続きに入るものとする

⓹「国家公務員の病気休暇 クーリング期間の勤務日数には要注意!復職後20日の勤務では足りない?」まとめ

以上「国家公務員の病気休暇 クーリング期間の勤務日数には要注意!復職後20日の勤務では足りない?」でした。

巷では人事院規則通りに「国家公務員の病気休暇クーリング期間は20日間である!」とするサイトが多く見受けられますが必ずしもそうとは限りません。

事前に所属する組織の人事部門にしっかり確認しておきましょう!