このブログの国家公務員の内情系の記事で度々お話している通り私は運輸局という国土交通省の出先機関に勤務していた元国家公務員です。

 さて国家公務員というと毎日のように国家公務員による不祥事のニュースが大きく取り上げられていますよね。
 その犯した不祥事によって最悪の場合懲戒免職となってしまうということも大いにありえます。

 私も20年ほど国家公務員として勤務したなかで2名ほど懲戒免職となった職員を見てきました。
 今日は「国家公務員 私が見てきた懲戒免職事例集」についてまとめていきます。




国家公務員の懲戒処分とは?

 まずは前提として国家公務員に対する罰則としての懲戒処分について簡単に説明していきましょう。

 国家公務員における懲戒処分は職員に非違行為があったときにその職員に対する制裁としてなされる処分をいい以下の4種類存在します。

・免職 – 職員の意に反してその職を失わせる処分をいう。

・降任 – 現に定められている職務の等級・階級を1ないし2下位のものに下すこと。

・停職 – 一定期間職務に従事させない処分。国家公務員の場合は最低1日~最高1年までとなっている。

・減給 – 職員に対する制裁として一定期間、職員の給与の一定割合を減額して支給する処分をいう。
     国家公務員の場合は人事院規則で期間は最高で1年、額は俸給の20パーセント以内と定められている。

・戒告- 職員の非違行為の責任を確認し、その将来を戒める処分をいう。

 ちなみに今年の5月に法務省が賭けマージャンに興じていたことが発覚した黒川弘務検事長に対して訓告処分を科したことが大きなニュースになりましたよね。
 この訓告処分は上述の通り懲戒処分ではありません。

 懲戒処分ではないものの不問に付することが適当でない場合の軽微な処分として課されるものの中で一番重いものです。

 ・・・ちなみに私も国家公務員時代に非常勤職員とトラブルになりこの訓告処分を喰らったことがあります。
 懲戒処分よりも軽微な処分とありますが昇給や賞与の査定に大きな悪影響があります。

 黒川検事長は訓告後辞任しましたがおそらく黒川元検事長も退職金額は通常得られるより額よりも少なかったはずです。

国家公務員 私が見てきた懲戒免職事例集

 さて一通り国家公務員に対する懲戒処分やその他の軽微な処分の説明をさせていただきましたが、これらのなかで公務員にとって当然一番重い処分は懲戒処分の懲戒免職です。

 まあ一言でいうと民間でいう懲戒解雇ですね。(民間の懲戒解雇が懲戒免職。リストラが分限免職に相当するとイメージするとわかりやすいかもしれません。)

 よほどのことをしない限り懲戒免職となることはないのですが私の公務員時代このよほどのことが2件ありました。

 この2件ですが案件は全く同じ内容でして、それはずばり公金横領でした。

 何故バレないと思ったのかは理解に苦しみますが自分の借金の支払いに公金に手を付け御用となった感じです。
 ちなみにこの2名の職員のうち1名は知っている職員だったのですがその時は本当にショクでした。

超意外?盗撮や痴漢では懲戒免職とならない!

 さてここでですが、ニュースで国家公務員の不祥事のニュースが世間を賑わせていますが中でも多いのが痴漢や盗撮と言った国家公務員によるわいせつ事件ですよね。
 一般の感覚からすると超ビックリされるかもしれませんがこれらの盗撮・痴漢といったわいせつ事件で職員が懲戒免職となることはまずありません。(さすがに強姦はアウトでしょうが・・・)

 実は私が公務員時代にこのわいせつ事件(盗撮事件)を起こし警察の御用となった職員がいました。
 その職員が盗撮事件を起こしたのは今から3~4年前でしたが今でも現役の国家公務員として勤務しています。

 また中部エリアでも同じくわいせつ事件を起こし警察の御用となった職員がいましたが、この職員もこのわいせつ事件による逮捕で即懲戒免職とはなりませんでした。(その後停職処分から懲戒免職処分へ)

国家公務員 私が見てきた懲戒免職事例集

 以上「国家公務員 私が見てきた懲戒免職事例集」について簡単な国家公務員に対する不利益処分の概要と併せてまとめてみました。