愛車のバイクのバブ

の盗難被害に遭ったものの独自の情報網を駆使し犯人を見つけだしお仕置きを加えたZ李さんが話題です。

しかしながら犯人は見つかったものの肝心のバイクはいくつかの部品に分解され犯人によってネットオークションにて転売されてしまいました。

今回のこの騒動を受け部品購入者からはZ李さんに返却の意向を示された方が多いようですがZ李さんは「善意の第三者だから気にしなくてよい」とし購入者からの返還の意向を辞退しました。

果たして法律的に今回のケース部品返還は不可能なのでしょうか?
以下「Z李さんのバイク盗難 オークションでの部品購入者は善意の即時取得者で返還は不可能?」としてまとめていきます。

➀登録制度のない動産は真の持ち主が誰かを知ることは難しい

物には不動産と動産の2種類ありますよね。

そして動産は自動車や船などの法律に規定がある物についてはその真の持ち主が誰であるかを国家が証明する登録制度が採用されています。

したがってこうした登録制度が採用されている動産の取引においてはその取引後に実は盗品であったとして問題になることはそうそうありません。

しかしそういった登録制度が一切規定されていない動産は売主が本当に真の持ち主なのか否かの判別が難しいため取引の後に実は盗品だったとしてトラブルになることがあります。



➁動産の取引において購入者を保護する制度 即時取得

さてこうした登録制度の採用されていない動産の取引において重要なのが民法の即時取得という制度です。

真の持ち主が誰であるかを判別するのが難しい動産の取引で物を買ったものの後日「その真の持ち主は私だから返せ!」となれば取引の安定性の観点から望ましくないですよね。

そこで民法では購入者がその物が売主の物ではないことについて善意・無過失の場合については買主を保護し所有権は買主の物とする即時取得の制度を採用しています。

⓷盗品であれば即時取得によって保護される買主にも2年間は自己の所有権を主張できる!

さてでは今回のZ李さんの件についてみていきましょう。
バイクの部品は動産です。
そして登録制度も採用されていません。

もしバイクを盗んだ犯人からネットオークションで部品を購入した人がそれが出品者の者ではないことにつき善意・無過失であれば購入者はZ李さんの言う通り善意の第三者に該当し部品の所有権は購入者ということになりそうです。

しかし何事にも例外はあるものです。
実はこの物が盗品であった場合は2年間は善意の即時取得者に対しても本来の持ち主は自己の所有権を主張し物の返還請求ができるのです。

〇民法193条
即時取得された目的物が盗品・遺失物の場合被害者又は遺失者は盗難又は遺失のときから2年間無償でその物の占有者に物の返還を請求できる。

つまりオークション購入者が善意の第三者であったとしてもZ李さんは「その部品は自分の者だから返せ!」と主張できるということになるのです!



⓸「Z李さんのバイク盗難 オークションでの部品購入者は善意の即時取得者で返還は不可能?」まとめ

以上「Z李さんのバイク盗難 オークションでの部品購入者は善意の即時取得者で返還は不可能?」でした。

私は昔車検場に勤務しバイクの名義変更などもやっていたのですが一度バイクを盗まれその後ネットオークションで転売され名義も購入者に替えられた真の持ち主が訴訟を提起し上述の民法193条に基づき勝訴しその際の裁判の判決文をもとに名義を自分の元に戻す手続きを担当したことがあるのですが・・・そんな当時を振り返りながらついつい書き綴ってっしまいました。

ちなみにZ李さんは現在新たに部品をカスタマイズしよりグレードアップさせた状態でバイクを復活させるようです。

その関係で近日中にどこかの車検場で何かしかの手続きされるのではないかと思います。
車検場の職員にはZ李さんに失礼のないようしっかり対応してほしいものです(笑)